今年の高校サッカーが終わってしまった
今年の高校サッカーが終わってしまった。
高校生にとって夢のような時間はあっという間に過ぎていってしまう。
開会式を行い、1回戦が繰り広げられていたのがもう遠い昔のように感じられる。
第97回全国高校サッカー選手権大会は流通経済大柏と青森山田の激闘の末、青森山田高校の優勝で幕を閉じた。
ああなんかさみしいなあ、また来年もまでお預けかあ。
しみじみしててもしょうがないので軽く試合レポートと今大会の総括。
決勝戦は互いに持ち味を出し合う好ゲームとなったが結果は3−1。
流通経済大柏が関川郁万の豪快ヘッドで先制するも青森山田の檀崎竜孔の2ゴール、最後に小松選手の駄目押し弾で勝負は決した。
セットプレーからの1点の流経に対して青森山田は全て流れの中からゴールを奪った。
準決勝の両チームの試合を見る限り、力は互角だと思っていたが実際に対戦すると青森山田の方が要所要所で上回っていた。
チームとしての連携もそうであり、個の力の部分も大きかったのではないかと思う。
序盤はダイナミックなシンプルな攻撃でロングスローやセットプレーから流経が青森山田ゴールを脅かし関川郁万選手のダイナミックヘッドで先制ゴールを挙げる。
しかし青森山田も焦ることなく試合を進める。
流経はいつものように果敢にプレスをかけるが青森山田はプレッシャーの中でも一人一人がボールを失うことなくキープし突破もできる、さらに精度の高いボールを前線に当てて攻撃を展開していく。
前線の選手もシンプルかつ、早めにボールをはたき、上がってきた他の選手に前を向いた状態でボールを運べるような状況を作り、流経DFの取り所の的を絞らせない。
流経はいつもの試合では取りきれるであろう場面でボールを奪えず、取り所をはっきりさせることができず、後手に回る展開が続く。
中でもバスケス・バイロン選手のドリブルは切れ味鋭く、パワーもあるので1、2人は確実に抜いていた。あのあたりの個の力はすごいですね。
その中で守備のDFラインの綻びを佐々木選手が抜け出し、ボールを運びクロス。詰めていた檀崎選手がゴールに押し込み同点。
後半になってからも前半から持ち味のドリブルからチャンスを演出していたバスケス・バイロン選手のドリブルからゴールが生まれる。
縦に仕掛けて相手が食いついたところを切り返し、左足で中にクロスを上げると見せかけてさらに切り返し、完全に抜き去る。一発目の切り返しが深買ったので絶対折り返すと思ったところを一発目よりさらに深い切り返しをするあたりはDFからすると絶望的状況。
完全に抜き去り、中央走り込んだ檀崎選手へアシスト。ゴール
セルジオ越後的に言うと「99.9%バスケスのゴールです」
最後は前がかりになった流経DFラインの裏をとり、小松選手がゴール!
青森山田が2度目の全国制覇!
青森山田は檀崎選手、バスケス・バイロン選手、武田選手など個の力で明らかに違いを見せていた。流経もセットプレーからチャンスを作るがゴールをこじ開けることができなかった。流経は1、2年生が結構いたので来年にまた期待。
個人的に今年は会場で観れた試合が少なかった。
開幕戦の駒澤VS那覇西、岡山学芸館VS遠野、青森山田VS尚志、流通経済大柏VS瀬戸内
本大会はこの4試合だけ。録画含めたらもっといくけど。
面白かった試合を上げるとすると1回戦の東福岡VS浦和南ですかね。
ゴールが多かったってのもありますけど東福岡のいいところが全部出たような試合でした。
東福岡のお家芸的なサイドアタッカーに当てるライナー性の早いパスからのスピードあふれる展開は見てて面白かった。
あと米子北VS国士舘ですかね。
米子北の佐野海舟選手は本当に上手い!どこにでも現れてセカンドボール取るし、取ってからも冷静にちゃんと繋げるし、将来楽しみです!
近年の高校サッカーはプレスが主流となっていて選手個々の技術を活かす場面が少なくなり、華やかなプレーが見られる機会はグッと減ってしまったような気がするけど、
そこで求められるのがボールを止める、蹴るの基本の部分だったりする。
なんとなくはできるけど、突き詰めてみればできてないことも多かったりするし、
そこがどれだけちゃんとできてるかが大きな差になってたりもする。
その点においてはやっぱり青森山田は全員の基本能力が高かったので今回の優勝は本当に実力で勝ち取ったものだったのではないでしょうか。
もちろんゴリゴリのテクニシャンとかがいたら面白いし、それも見たいとは思うけど基本があってこその応用ですからね!
なにはともあれ今回の大会は終わってまた来年までお預け!
今大会で活躍した選手の中にはプロに行く人はぜひ活躍してほしいし、大学経由でプロの舞台に上がってくる人もいるだろうから楽しみ。
尚志の染野選手とか桐光学園の西川選手はまだ2年、来年の注目選手であることは間違いなしなので楽しみですね!
サッカー、フットサル系のネタはちょこちょこ書いていこうと思っていますのでまた興味ないがあれば見ていってください。
第97回 全国高校サッカー選手権 準決勝 流通経済大柏 VS 瀬戸内
第97回 全国高校サッカー選手権
準決勝 第2試合
流通経済大柏 VS 瀬戸内
前回大会準優勝の流通経済大柏と初出場ながら勝ち上がってきた瀬戸内の一戦。
流経は相変わらずの風格!本当に鍛えられた肉体をしているし、淡々とアップしている姿が強そう。中でも鹿島内定のセンターバック関川郁万選手の存在感はすごい。ギラギラ感がすごいですね。
対する瀬戸内は今大会初の青のユニフォーム。初出場でベスト4に勝ち上がってきた勢いでチームは明るい模様。アップ時にセンターバックの選手がボールは真上に蹴り上げるパフォーマンス(かなり高くまで上がってた)!トラップできればカッコよかったが空振り笑。この舞台で戦えることを本当に喜びを感じているのが伝わってきた。
前半開始
流通経済大柏のお家芸ハイプレスで序盤からガンガン圧力をかける。対する瀬戸内は最終ラインでボールを回しながら保持し、丁寧に前線に繋ぎ、前線へのくさびのパスの機会を伺う。
瀬戸内キャプテン10番がトップ下から深く降りてボールを受けようとするが、流経DFがピッタリついてきて、フリーでボールを受けることができず、後ろに戻すかサイドにはたくことしかできず前線への押し上げができない。瀬戸内はGKもフィールドプレーヤーの一人としてボールを回し、数的有利の状況でボールを回すが、御構いなしといった感じで流経、キャプテン左部を中心にプレスをかけまくり、徐々にコースを限定していく。
流経ペースで試合が進む中早くも先制点が生まれる。瀬戸内の攻撃をカットから左サイドにいた9番岡本選手にボールが渡る。そこから中心に走り込んだ10番熊澤選手に展開。瀬戸内は人数をかけて攻撃していた分守備の戻りが間に合っておらず、遅れ気味にいったDFを待ってましたと言わんばかりにキックフェイントでいなし、ゴール前正面にスルーパス。再び走り込んだ岡本選手が先制。
その後も立て続けに流経が得点を奪う。
右サイドから強引に縦に仕掛けた4番西尾選手がスピードで振り切り、中にクロス。スペースに走りこんだ1年生20番藤井選手が合わせて2-0。
ショートコーナーからの落としからのクロスに鹿島内定5番関川選手のダイナミックなヘディングシュート。DFからすると死角からあのパワーと打点で入ってこられたらどうしようもない!
その後も瀬戸内はリズムを掴めず前半終了。
後半
流経は終始徹底してプレスをかけ続ける。
セカンドボールをカットしたらすぐ前線へ運びそこから起点を作っていく。瀬戸内はプレスを恐れず、徹底して最終ラインから丁寧に繋ぐが効果的なパスが出せない。DFを引きつけておいてサイドチェンジも織り交ぜていくがボールが浮いてる間に流経DFが詰め寄り、フリーにさせない。セオリーでいうとプレスが強いということは近い距離のサポートでワンツーで裏を取れる状況だがサポートにもピッタリDFがついてくるのでなかなか出来ないのだろう。この辺りの流経のDF、スタミナは流石としかいいようがない。
普段から相当走ってるんだろうな。
そしてここでスーパーゴールが生まれる。
セットプレーからのこぼれを10番熊澤選手が右足でコントロール、リフティングする感じで地面につく前にもうワンタッチ。
完全にDFのタイミングをずらして左足でハーフボレーシュート!
綺麗な弾道でゴール右隅に突き刺さる。
さらにセットプレーから駄目押しの5点目を挙げた。
その後は流経は勝利を確信したか、主力の関川選手、熊澤選手をベンチに下げ決勝に向けて温存。
瀬戸内も気持ちを前面に出して攻撃に出るが一歩及ばず。
試合終了
5-0で流通経済大柏の勝利。
率直な感想としては流通経済大柏が強すぎるということ。流経はメンバー全員が身体能力も高く、テクニックもハイレベルで兼ね揃えている。しかしそのテクニックやアイデアを前面に押し出して戦うのではなく、ハイプレスを終始かけ続け、いわゆるデュエルを前面に押し出して勝利を第一優先として戦っているのだ。
それでも、能ある鷹は爪を隠すではないが局面局面の勝負所ではその能力を発揮し、いとも簡単に試合を決定づける。そこが流経の本当の強さであり、恐ろしいところだろう。
瀬戸内高校も終始自分たちのパスサッカーを貫いていた。あれだけのプレスを食らったら恐くて前線に蹴ってしまいそうだが、そんなことは一切せず、ボールロストしても丁寧に繋ぐことを徹底していたのだ。
今回は相性が悪かったがこの経験を活かして、このプレスをかいくぐるボールポゼッションをまた全国の舞台で見せて欲しいと思う。
決勝のカードは青森山田 VS 流通経済大柏となった。
近年、群雄割拠の高校サッカーと言われているが様々なチームの試合を見ればみるほどこの2校の実力は抜きん出ている。
どちらもチームの力には差がない。
日本一の座に輝くのはどちらのチームか?
1/14決勝が楽しみでしょうがない!
第97回 全国高校サッカー選手権 準決勝 青森山田VS尚志
第97回全国高校サッカー選手権大会
準決勝
第1試合 青森山田 VS 尚志
今年も埼スタまで行ってきたので軽く試合レポート!
どうもオコチョです!
今や高校サッカー界の重鎮、青森山田と今大会勢いに乗っている尚志高校との試合。
最初に一言いうとめちゃくちゃ面白かった。
見ているこっちがドキドキワクワクする展開でした!では早速行ってみます!
両チーム選手入場。
青森山田はさすがに貫禄がある。
すでにプロっぽい雰囲気を出してるよね!
あとボネーラのユニフォームがカッコいい。
そのブランドの決まった型ってよりかはカスタムデザインをしてる気がする。
尚志はテレビで見たときはわからなかったがみんなガッチリとしたいい体をしている。入場前に関係者全員で円陣を組んでチーム全体の士気が高いのが伝わってくる。
ここがテレビで見るのと生で見る一番の違いじゃないだろうか、体の厚みとか筋肉の付き具合、雰囲気がはっきりわかるからね。
前半開始
序盤は青森山田がペースを握る。
両チーム、リスクを冒さずシンプルにプレーするがやはり青森山田の方が基本スペックが高いので球際やパス精度で徐々に差が出始める。中でも9番佐々木銀士選手はすごい。
ガンガン前からプレス行くし、体が強いし、巧さもあるから攻撃時の起点になる。ボランチも戦況を見極めながらボールを落ち着かせているので見ていて安定感がある。
チームに穴がないのでいい意味で高校生とは思えない。
対する尚志は準決勝で固くなってるわけではないが青森山田の圧力の前になかなかリズムが掴めていない模様。しかし最後で体を張って決定機は作らせない。試合が進むにつれ徐々に中盤でのいい距離感でのパスワークが見られるようになってきたが青森山田もマークはしっかりしてるので崩しきるまでにはいかない。
試合は青森山田ペースで進んでいたが前半セットプレーで尚志9番が先制!
一瞬青森山田DF陣の集中が切れた感があったが低めのニアに入ったボールにうまく合わせた。
そこから尚志がペースをつかみ、前半終了。
流れ的には準々決勝の矢板中央戦と同じで青森山田がペースを握っていた中でセットプレーから先制されるパターン。
選手にも動揺は見られない、さすがです!
後半開始。
序盤で10番檀崎選手からのパスで11番バイロン選手が抜け出し、ドリブルの仕掛けからPK獲得。これを10番檀崎選手がタイミングずらしてチップ気味でゴール真正面に決める。
この舞台でよくあそこ狙えるなぁと鋼のメンタルに感心。
同点の流れでまたもやセットプレーから青森山田が逆転。コーナーキックから三國ケネディエブス選手がニアで打点の高いヘッドを決める。ニアサイドであの高さで入って来られたら止めようがない泣!
このまま青森山田が押し切るかと思ったがここからが面白い。尚志左サイドから逆サイドへ対角の絶妙なサイドチェンジ。尚志9番がヘッドで競ると見せかけてスルーし、尚志11番にボールが通る。そのままスピードを活かして縦に仕掛ける。青森山田DFも食らいついてきてたので抜き切らずにマイナスのクロス。中に詰めていた染野選手が右足でそのまま打つと見せかけてキックフェイントで切り替えし、左に持ち替え冷静にゴールに流し込む。あのキックフェイントでDF2人、GKも完全にかわされた。先日の代表戦の大迫を見ているような冷静ぶり。一連の流れが素晴らしかった!そこからは完全に尚志ペース。
尚志が中盤での繋ぎから9番染野選手に預け、さらに走り込んできた10番に預け、ゴール前へフリーラン。10番はDFを引きつけて右サイドから中央にポジションを取った11番にパスし、そこからダイレクトでゴール前まで走り込んだ9番染野選手にパスし、そのままダイレクトでシュート!3人目の動きからのお手本のようなゴール!ゴールに絡んだ3人が同じ絵を共有していて完全に連携で崩したゴールだった!染野選手は能力だけでなく周りの状況からどこに動けばボールが来るかのイメージを持てているので本当に頭のいい選手なんだろなぁと思った。
このゴールで遂に3-2で尚志逆転。
このまま尚志が初の決勝進出かと思ったし、会場全体もそう思っていた。
ただそこはさすが青森山田、劣勢を力技でこじ開ける。
交代出場した小松選手が魅せる。
なんとか一点が欲しい青森山田はDFの三國ケネディエブスをトップに移し、パワープレイに持ち込む。GKからのフィードを三國ケネディエブスが裏へ逸らし、走り込んだ小松がDFのクリアをブロックし、そのままシュート!
どんな形からでも決める、勝利にこだわる青森山田の執念、強さを感じられるゴールだった。その後は互いに攻め合い、タイムアップ!観客席からも「すごい試合だな!」と声が漏れるほど選手も会場も興奮状態であった。
延長が見たいのが本音だが、残念ながら大会規定によりPKで勝敗を決める。
PKの末、青森山田が死闘を制した。
試合が終わっての感想は、連携や崩し、魅せるという点においては尚志が勝っていた。ただ選手個々の能力、基本技術、身体能力、勝利へのこだわりという点で青森山田が優っていた。ひとつひとつのアイデアや連携面では尚志が青森山田を上回る場面も多かったが試合全体を通すとチームとしての総合力、地力で青森山田は常に圧力をかけていたと思うし、試合をした選手達本人がその強さを一番感じたのではないだろうか。
尚志は本当に来年も楽しみなチーム!ハットトリックを決めた染野選手はまだ2年生。来年の高校サッカーの中心になるのは間違いない。勝った青森山田は決勝頑張ってもらいたい!
長々となりましたが選手のみなさんお疲れ様でした!また高校サッカーの小ネタなど挙げていきますので興味のある方は見てっていって下さい。ありがとうございました!
高校サッカーから世界に羽ばたいた選手特集/乾貴士選手
最近高校サッカーネタを書いているので大会が終わるまではしばらく書いていこうと思っているのですが、試合内容ばかりでもあれなので少しスピンオフ的な内容を書いていきたいお思います。内容的には高校サッカーから羽ばたいていった選手にフォーカルをあてていきたいと思っています。高校サッカーを長年追いかけてますきたからこその情報と私自身もずっとサッカーをしてきたので肌で感じた情報も合わせて発信することができればいいなとおもっています。
今回は今大会の応援リーダーを努めている乾貴士選手にスポットを当てていきたいと思います。
では早速!
乾選手が世に名前を知られるようになったのが今から13年前にあたる第84回大会です。
滋賀県代表の野洲高校として出場し、セクシーフットボールと呼ばれ、並み居る強豪を倒し全国制覇をした年です。
その当時の高校サッカーの流れとしては
決勝のカード
第80回 国見VS岐阜工業 国見優勝
第81回 国見VS市立船橋 市立船橋優勝
第82回 国見VS筑陽学園 国見優勝
第83回 鹿児島実業VS市立船橋 鹿児島実業優勝
といったように国見をはじめとしたロングボールを多用したフィジカル重視のサッカーをする高校が勝ち進んでいる流れがありました。正直なところトーナメント戦の一発勝負なので第一にリスクを冒さない、負けないといったことが優先されるので仕方のないことなのかもしれません。しかしそのようなサッカーをするには身体的に優れた特性(背が高い、足が速い、体が強い)がないとやっていけません。さらに今と違い戦力の地域格差というものが大きかったので有望選手は名門と呼ばれるところに流れていってしまい、結果として能力の高い選手たちのフィジカルサッカーが主流になり、国見の一強時代になっていたような時代でした。
そこに彗星のごとく現れたのがW杯でも大活躍した乾貴士擁する野洲高校だったのです。
野洲高校 山本監督の『日本の高校サッカーを変える』という合言葉のもと旋風を巻き起こしました。
当時山本監督はメディアに対してよくこの言葉を多用していました。
今のフィジカルサッカーでは世界に通用しない、日本人の特徴であるテクニック、ドリブルを生かしたクリエイティブなサッカーをし、日本の高校サッカーを変える。
これは捉え方によっては当時の高校サッカーを全否定するくらいの勢いがありました。
しかし、実際に野洲高校の試合を見た人たちはそのプレーに度肝を抜かれることになります。
相手のプレスが来ても動じることなくボールをキープし、ドリブルでかわす。
相手が食いついてきたところをあざ笑うかのごとく、ヒールパスで裏をかく。正確なトラップ、ダイレクトプレーでいとも簡単に相手守備陣を翻弄し、ゴールを奪う。
本当に見ていて飽きない、ビデオでも何回見ても面白い。そう思わせてくれるくらいすごいチームでした。
乾だけでなく、青木孝太、平原研、楠神順平、田中雄大などものすごい選手たちが揃っていました。
中でも当時の10番平原研は抜群のサッカーセンスを持っていました。
テクニックもさることながら『えっ!?そこ出す?』というような意表をついたパスで完全に裏をかくプレーを連発していました。一人だけ見ている世界が違うかと思わせるような感じでした。
惜しくもプロにはなれなかったようですが、センスだけ見れば間違いなくチームNo1だったのではないでしょうか。
『日本の高校サッカーを変える』というフレーズと野洲高校の華麗なテクニックから名付けられた『セクシーフットボール』というスタイルは実際に試合を見た人、メディアを巻き込み大きな話題になっていきました。
実際にそれだけのインパクトがあった。
そのまま彼らは決勝まで勝ち進み、当時のフィジカルサッカーの代名詞的存在、鹿児島実業との伝説の決勝戦を迎えます。
その年の鹿児島実業は無失点で圧倒的な攻撃力で勝ち上がっており、戦前の予想は完全に鹿児島実業が有利とされてたが、蓋をあけると全く異なる展開となった。
鹿児島実業がプレスをかけ続けるが野洲のテクニックの前にボールが取れないのだ。
むしろそこからパスワークやドリブルで切り崩されていた。そしてセットプレイから野洲高校が先制。
そこからは本当にテクニック対フィジカルという図式の展開がはじまる。
当時面白かったのが、野洲高校と対戦した相手チームが途中からヒールパスやテクニックを披露し始める光景があった。
もともと彼らも中学時代はテクニシャン、エースとして有名だったのだろう。野洲高校のプレーの前に俺もできるぞ!と言わんばかりにテクニックを披露し始めるのだ。
対戦相手のスタイルを変えてしまうほど当時の野洲高校のプレーには影響力があったということだろう。
試合は後半に鹿児島実業が同点に追いつき、延長戦。
そして延長戦、選手権至上最も美しいと言われるゴールが生まれる。
鹿実の攻撃をカットした田中雄大から平原へ、平原はダイレクトで田中へ戻す。
そこから一気に逆サイドの乾貴士までライナー性のサイドチェンジ。
乾得意のドリブルから相手二人を引きつけてヒールパス(ここで出たーー!!)
走り込んだ平原が前を走るボランチの中川にパス。
中川からのクロスに瀧川が詰めてゴール!!
完璧すぎる!野洲高校の全てが詰まった美しぎるゴールだった。
国立競技場での歓声がものすごく、そして鹿実の応援席に静まり具合もすごかった。
この一戦は高校サッカーの新しい時代の幕開けにふさわしく、
フィジカル重視の高校サッカーの流れが変えるには十分な試合であった。
この年以降テクニックやポゼッションを重視する高校が対等してくるようになり、群雄割拠の戦国時代と呼ばれるようになったのが一番の変化だっただろう。
しかし13年経った今は流通経済大柏のようなハイプレスを武器とする高校が力を持っている。
流通経済大柏の本田監督も話していたが、
『今はプレスの時代。またこのプレスをかいくぐる技術を持った高校が出てくるとそれは日本サッカー全体のレベルアップにつながる』
そうやって時代の流れとともにサッカーも進化を遂げているのだ。
また当時の野洲高校のような今の流れを根本から覆す高校が出てくるのが楽しみならない。
そして乾選手のように世界に羽ばたくプレーヤーが出てくるのが楽しみだ!
第97回 全国高校サッカー選手権 開会式
第97回 全国高校サッカー選手権 開会式
ブログご覧頂きありがとうございます。
どうも、オコチョです!
今年も始まりました!
全国高校サッカー選手権大会!
僕は本当に自称高校サッカーマニアであります。毎年この時期が来るとワクワクし、しかしたった2週間ほどで終わってしまうこの時間が寂しくもあります。
なにはともあれ今年も開会式行ってきたのでリポートしていきます!
12月30日 駒沢競技場
ここは本当にロケーション的にも綺麗なところで夕方になるとあたりに差し込む夕日がまた綺麗でとても好きな会場です。
うん、素晴らしい!
まず言っておきたいのが高校サッカーは好きで試合も見るけど開会式見る必要なくない?という人がいますが、むしろ開会式を見ていって頂きたいです!
なぜかというと
開会式でしか見れないことがあるからです!
何だと思いますか?
それは、、、
全出場チームの選手です!
高校サッカーは首都圏の東京、埼玉、千葉、神奈川の複数の会場で試合が行われます。
大体各会場1日2試合ですのでどれだけ頑張って生で選手達を見ようと思っても、全ての出場チームの選手を見ることは不可能なのです。
テレビやネットで見ることはできても生でしか感じられない雰囲気、エネルギーがあります。全ての出場チームが集い、選手のエネルギーを感じられるのは開会式しかないのです!
開会式では選手たちがトラックを行進しますが行進前に駒沢競技場の外で待機している姿を見ることができます。
僕はここで強豪校の前で写真を撮るのが好きです!
こんな感じで笑
また全国に出てくるチームは大体ユニフォームを新調してきます。ベースのデザインやカラーは変わらないことが多いですが、若干のマイナーチェンジが観れるのが醍醐味の一つです。各メーカーのチームユニフォームの型(ベースの柄やデザインはメーカーの基本フォームとして決まっている)の傾向もここでわかります。近年の傾向としてはフットサルブランドとして有名なATHLETA、svolmeなどのメーカーを採用しているチームも増えてますね。来年あたりは今フットサルブランドで一番勢いのあるLUZ e SOMBRAあたりが出てくると面白いですね。
ちょっと話が逸れましたのでこの辺にしといて入場行進にいきます!
さすがに全校は厳しいので注目校をピックアップしていきます!
まずは前回王者、前橋育英!
うん、強そう!昨年ほどのタレント力はないがチーム力は高いとのこと。
前橋育英は毎年、スマートなサッカーをしてくるので今年も期待!
続いて青森山田!
優勝候補の一角!やはり今年もりんごを持って行進!りんごを持って行進してもカッコいいのは青森山田だけではないでしょうか。
矢板中央
個人的にユニフォームが一番カッコいいと思ってます。ハードワークを厭わず、ちゃんと繋ぐサッカーもできる面白いチーム。
高橋監督がすごい人情派で最後のロッカールームは一番泣かせてくれます。
流通経済大柏
前回準優勝。さすがの迫力です。
プロ予備軍とでも言いましょうか!
県大会から見てますが地元の小学生がスタンドから色紙を吊るして手慣れた感じでサインをしている光景はまるでプロのようでした。
今大会優勝候補。
全校撮るつもりでしたが撮りきれなかったのでここまでです!
そしていよいよ全48チームがピッチを行進します!この景色は壮観!胸が高まります!
この中からどこが日本一の座を掴むのでしょうか!今の高校サッカーは群雄割拠の時代!
全く予想がつかないので面白い!
1/14が楽しみです!
しばらく高校サッカーネタをアップしていこうと思ってますので興味がある方はまた見に来て下さい!